公認会計士の繁忙期はいつ?【CPA'sVOICE】公認会計士のつぶやきVol.27
「公認会計士は忙しい」というイメージをお持ちの方も少なくないと思いますが、決して一年を通して忙しいわけではありません。では、公認会計士はどの時期に繁忙期を迎えるのでしょうか?今回は、公認会計士の繁忙期や1年の主な業務の流れなどを解説します。
会計士の繁忙期の傾向は?

一般的に、事業会社で経理業務などで働いている方々は、決算期末を含む前後1~2ヶ月の間に繁忙期を迎えますが、監査法人で働く会計士は、クライアントである企業の決算から1ヶ月ほどが経過した後から本格的な繁忙期を迎えることになります。
日本では多くの会社が決算期を3月末に設定しています。公認会計士は、企業が決算を経て発表する会社法計算書類や有価証券報告書について最終的な監査を完了させなければなりません。
したがって監査法人で勤務する会計士の多くは、4月~6月頃に最大の繁忙期を迎えることになります。
大手と中小の監査法人の違い

監査法人の仕事は4~6月が最も忙しいとお伝えしましたが、しかし担当するクライアントによっては、必ずしもこの時期が繁忙期になるとは限りません。
大手監査法人の繁忙期は主に4~6月
日本では、全上場企業の約60%の企業が、3月末に決算を迎えます。このため、上場企業の監査クライアントが非常に多い大手監査法人においては、多くの場合4~6月頃に繁忙期を迎えます。、繁忙期が非常に偏りやすいという特徴があります。
4~6月に繁忙期を迎え、7~8月頃は落ち着くタイミングとなるため、夏季休暇を長く設定している法人もあるようです。ただし、業種・業態によっては、3月末以外の決算期が集中するといったケースもあります。例えば流通や小売りは2月決算が多い傾向がありますが、業種別の部門制度を採用する大手監査法人で勤務し、流通・小売を専門とする部門に配属されたといった場合には、2月決算タームが非常に忙しくなるといったこともあり得ます。
中小の監査法人は繁忙期が偏らないこともある
最近の新興企業の中には、決算期にこだわりが小さい企業も多く、決算期が3月末以外の企業もかなり増えてきました。中小の監査法人では、クライアントの中でこうした新興企業が占める割合も相対的に高くなるため、3月決算クライアントの集中度愛は大手監査法人と比べると低くなる傾向があります。どちらかというと、自身が担当するクライアントの決算期次第で繁忙期が異なるというケースの方が多いです。
あかり監査法人が担当するクライアントは、決算期が非常にばらけているという特徴があります。このため、大手監査法人のような業務の集中はほとんどみられません。
また、約半年先までのスケジュールをにらみながらアサインの検討を常に行っているので、職員は個々のスケジュールや状況に応じた休暇を事前に調整することが比較的しやすいです。
まとめ

今回は、公認会計士の繁忙期についてご紹介しました。
公認会計士の仕事のスケジュールは、クライアントの決算期と密接に関係しているため、担当するクライアントによって繁忙期に差がでるという特徴があります。
また、決算期に応じて業務のサイクルがある程度決まっているため、休暇を取りやすかったり年間スケジュールを立てやすいと感じる会計士も少なくありません。
「会計士=忙しい」というイメージが先行しがちですが、繁忙期となる時期は明確になっているため、オン・オフのメリハリをつけて働くことができ、ワークライフバランスを取りやすい仕事とも言えるのではないでしょうか。