公認会計士の転職|履歴書の書き方とコツを解説!【CPA'sVOICE】Vol.7
公認会計士として転職をお考えの方の中には、「職務経歴書ってどう書いたら良いの?」と悩む方もいることでしょう。
公認会計士の実務経験は、他の会計士との差別化が図りづらくアピールが難しいと感じる方も多いようです。
そこで今回は、公認会計士の転職に役立つ履歴書の書き方について解説します。
監査法人の採用担当者が着目するポイントや、職務経歴書の書き方サンプルもご紹介します。
公認会計士が職務経歴書を書く際のコツ
転職活動の中で、最初の関門とも言える職務経歴書。
「履歴書はスラスラ書けるのに職務経歴書は手が止まってしまう…」という方も少なくないことでしょう。
特に公認会計士の転職においては、「監査業務に●年従事した」などの職務内容だけを羅列しても、他の応募者と差別化されづらいものです。
だからこそ、自分の強みや経験をしっかりとアピールして、採用担当者の目に留まるような職務経歴書を作成することが大切。
ここでは、監査法人の採用担当者が職務経歴書を見る際に着目するポイントについて解説します。
組織内での役割や立ち位置
中途採用の場合、職務経歴書に、所属していた法人や組織のことについて詳しく羅列して記載する会計士も少なくありません。
しかし、その組織に「所属していたこと」自体は、はっきり言ってさほどアピールポイントになりませんし、採用担当者はあまり着目していません。
それよりも知りたいのは、その組織の中で、どのような役割を果たし、どんな風に活躍してきたのかということ。
組織内でのポジションや成果などを詳細に記載することで、入社後のイメージもわきやすくなるものです。
監査以外の業務や活動
先にもお伝えした通り、公認会計士の業務は他の会計士との差別化が難しいものです。
だからこそ、監査業務以外の活動や功績は、大きなアピールにも繋がります。
採用業務や育成、セミナーの開催など、ご自身が携わった活動は積極的にアピールしましょう。
また、組織内での活動に限らず、個人としての活動や資格取得などの経験から人となりや熱意が伝わることもあります。
仕事のうえでプラスになる活動や自分らしさが伝わる経験は、経歴のひとつとして記載することをおすすめします。
もし、監査業務以外にアピールすべき経験や活動がない場合も、ご自身の役割や貢献度、苦労した点や楽しみを感じたことなど、付加的な情報を記載することで、ご自身の強みとしてアピールできるでしょう。
経験年数や転職経験
中途採用の場合、公認会計士としてどれだけの経験を積んでいるかは採用担当として気になるポイントのひとつです。
と言っても、経験が長ければ良い、短いから悪いということではありません。
採用担当者が知りたいのは、「なぜ転職したいのか」という詳しい理由。
例えば、「キャリアアップや幅広い経験を積みたい」という理由から短い年数で転職を繰り返す方もいることでしょう。
経験が浅い中での転職や過去にも転職経験のある場合は、マイナスイメージを持たれないためにも詳しい理由をしっかりと記載することが大切です。
クライアントの特徴
職務経歴書を書く際は、どのようなクライアントの案件に携わってきたかも記載しましょう。
特に、上場企業の監査やIPO監査の経験があるかどうかは採用担当として気になるポイントのひとつです。
また、特化していた業界や特殊な業界に携わった経験などがあれば、積極的にアピールしましょう。
公認会計士の職務経歴書サンプル
ここからは、上記で解説したポイントをおさえた履歴書のサンプルをご紹介します。
ぜひ、履歴書を作成する際の参考にしてみてください。
■略歴
20**年*月より△△会計事務所にて●年間、個人・法人における、所得税申告や記帳代行などの担当業務に従事して参りました。
20**年以降は、会計・税務の経験を活かし相続税業務や事業承継などの業務を担当し、直近では経営戦略の構築や事業再生などのコンサルティング業務まで幅広く経験しております。
■職務経歴
△△会計事務所 (20**年*月~現在)
・事業内容:監査、株式公開支援、マネジメントコンサルティング等
・資本金:百万円(20**年3月時点)
・売上高:80,000百万円(同)
・従業員数:800名(同)
【職務内容】
上場企業、独立法人などを含む10社ほどの監査を担当
・20**年**月~ 不動産販売業にて納税申告書作成、異議申し立て代行、相続税申告業務に従事
・20**年**月~ 製造業にて監査計画の立案、財務諸表科目の監査、社内審査などに従事。
また事業再生のコンサルティング業務にも携わりました。
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【その他業務】
・リクルート業務 公認会計士論文式の受験生に対する勧誘活動
・セミナー講師 20**年*月以降、年に2回〇〇税務相談会を実施(計8回)
■資格・スキル
・公認会計士(**年**月登録)
・実用英語技能検定1級(**年**月)
・税理士登録/合格科目;簿記論・財形諸表論・所得税法・相続税法・固定資産税(**年**月)
・社会保険労務士(**年**月)
■自己PR
会計士として幅広い業務に携わり、豊富な知識を身につけることを意識し、着実に経験の幅を広げてまいりました。
また、クライアントにとっての真のパートナーとなれるよう丁寧なヒアリングを心掛け、課題と向き合ってきたことで、厚く信頼いただき、将来的なプランニングや時にはプライベートなご相談までお受けするほどクライアントとの深い信頼関係を築くことができています。
加えて、リクルート活動やセミナーの開催などにも積極的に携わってきたことで、監査チームやクライアント以外の多くの人との関わりが増え、コミュニケーションスキルの向上にも繋がったと感じています。
これらの経験やスキルを活かし、チームやクライアントとの密なコミュニケーションを意識しながら公認会計士としてのキャリアアップ、スキルアップに努めたいと考えております。
公認会計士の職務経歴書では、強みや自分らしさをアピールすることが大切
公認会計士の転職でつまずきやすい職務経歴書。
印象に残る職務経歴書を作成するためにも、自分らしさや経験や実績を踏まえた強みをしっかりとアピールすることが大切です。
特に、組織内でのご自身のポジションや功績、苦労したことや喜びを感じたことなど、業務に関する付加的な情報は、採用担当者の目に留まりやすいものです。
職務経歴書の中で採用担当者に興味を持ってもらえると、面接での話題も広がりやすくなりますよ!
ぜひ、「自分にできること」を整理しながら公認会計士としての次のキャリアを目指してくださいね。