公認会計士はリモートワーク可能?働き方の実態を解説!【CPA'sVOICE】Vol.6

コロナ禍以降、多くの企業がリモートワークを取り入れています。
監査法人も例外ではなく、実際に求人募集に対して「リモートワークはできますか?」という問い合わせも増えています。
しかし、公認会計士がリモートワークできるか否かは、業務内容やクライアント、会計士自身の能力によってケースバイケース。

今回は「会計士ってリモートワークできるの?」「どんな人がリモートに向いているの?」といった疑問に率直にお答えします。

公認会計士はリモートワークできる?

近年、求人募集をすると、「リモートワークはできますか?」と質問してこられる応募者の方が非常に多くなりました。

結論から言うと、公認会計士のリモートワークは可能です。
私が所属するあかり監査法人でも、リモートワークをしているメンバーはいますし、その他の多くの監査法人でもリモートワークを取り入れています。

ただし、いつでも、誰でも、リモートワークOKというわけではありません。
では、どのような場合にリモートワークが認められるのでしょうか?

リモートワークに向いている人とは

そもそも、リモートワークに向いている人とは、「自分を律することができる人」だと思います。

これは公認会計士に限らず、どの業界・職種でも同じことですが、自宅で他人の目がないからと言って、いい加減な働き方をしていたりサボったりする人には、安心して仕事を任せることができません。
リモートワークは柔軟な働き方である一方で、業務の進め方から時間の管理まですべて個人に任されているだけに、決して楽な働き方ではないのです。

「リモートだからこそ、こまめに『ほう・れん・そう』しよう!」
「リモートだからこそ、きちんと自己管理しよう!」

など、自分を律することへの高い意識を持っている人こそ、リモートワークに向いていると言えるでしょう。

リモートワークが認められやすいケース

そうした前提を踏まえたうえで、公認会計士がリモートワークを認められやすい2パターンのケースについてご紹介します。

単純作業の場合

まず、業務内容が単純作業のみの場合は、リモートワークが認められやすくなります。
例えば、証憑や契約書の突き合わせ、データがすべて揃ったうえでの入出金のチェック作業とその報告など。
単純な確認業務やメールのやり取りだけで完結するような内容であれば、リモートワークが認められやすくなるでしょう。

ただし、一方でこれらの業務は、単純作業であるがゆえに公認会計士として高く評価される仕事ではありません。
そのため、こうした単純作業のみを担う場合は、希望の給与が得られなかったり、公認会計士としてのキャリアアップを目指しにくい場合があると考えておいた方が良いでしょう。

顧客や会社との信頼関係が築かれている場合

リモートワークが認められやすいもうひとつのケースは、顧客や会社との信頼関係が厚く、リーダーなどマネジメントポジションで活躍している場合です。

公認会計士の仕事とは、クライアントの会計処理に対して、どのようなプロセスや意図でその会計処理を行ったのかということを正しく紐解いていくことに意味があります。
そのためには、話を聞きだす能力や正しい判断力が求められ、クライアントとどれだけ信頼関係を築けているかやクライアントをどれだけ熟知できているかが鍵になります。
また、公認会計士の仕事の多くはチームワークが求められ、社内での信頼関係も欠かせません。
そのため、長年公認会計士として活躍し、クライアントとも社内のメンバーともコミュニケーションが取れている方であれば、リモートワークもがしやすくなるでしょう。

人によりますが、社内外における厚い信頼関係を築き、公認会計士として価値ある仕事をリモートで行うには、5年以上の経験が必要だと考えています。

コミュニケーションの大切さが見直されている

コロナ禍においては、他の業種同様、多くの監査法人でもリモートワークが推奨されてきました。
しかし、アフターコロナを迎えた今、大手監査法人を筆頭にコミュニケーションの重要性が見直されつつあり、リモートワークに対する考え方が変化しています。

そもそも公認会計士は、様々な角度からクライアントの会計処理を紐解き監査する役目を担っています。
一見スマートな仕事のように感じられるかもしれませんが、チームであらゆる情報を共有しながら業務を遂行していくだけに、一筋縄でいかないことも多く、泥臭さのある仕事でもあるのです。
だからこそ、画面上やメールのやり取りだけでは成り立たないことが多いのも事実。
膝を突き合せた密なコミュニケーションを取ることで、はじめて中身の濃い価値のある監査業務が成立するのです。

もちろん、必要に応じてリモートワークを選択することは可能でしょう。
しかし、業務内容やクライアントとの関係性、ご自身のポジションやキャリアプランに応じて、適切な働き方を見極めることが大切です。

ぜひ、公認会計士としてどのような仕事がしたいのか、どんなキャリアを描きたいかなどを考えたうえで、働き方について検討してみてはいかがでしょうか?

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