勝又 將樹

 

PROFILE

勝又 將樹

総務人事責任者

食品業界で人事職としてキャリアをスタート。以後、流通、システム、ホテルなど多様な業界で管理部門を経験し、人事・総務・経理など幅広いマネジメント業務に従事。人事歴は26年にわたり、採用から教育、評価制度構築まで全領域を担当。2024年5月、豊富な組織運営の経験を生かすべく、あかり監査法人に入社。現在は管理部門全般のマネジメントを担い、組織基盤の強化と仕組みづくりに取り組んでいる。

人事一筋26年。多彩な業界経験を経て、50歳で監査法人という新たなフィールドへ

――勝又さんのこれまでのご経歴、あかり監査法人への入社の経緯を教えてください。

勝又:新卒で入社したのは食品系の会社でした。もともとはバイヤーや商品開発の仕事に憧れていたのですが、入社して2ヶ月ほどで人事部へ異動となり、採用業務を任されることになりました。最初は戸惑いもありましたが、これが結果的に人事のキャリアを歩むきっかけになりました。

人事としてのキャリアはすでに26年ほどになります。採用、教育、評価制度の運営など、人事業務のほぼ全領域を経験してきました。キャリアを積む中で、管理部門の幅を広げるために転職も重ねています。業界も、食品・流通・システム・ホテルなど多岐にわたりますが、どの職場でも人事や管理部門のマネジメントを中心にキャリアを築いてきました。

人事の仕事を「極めたい」と思うようになったのは、最初の会社に常駐していた人事コンサルタントの方との出会いがきっかけです。その方の人事に対する熱い姿勢や、人間的な魅力に強く影響を受け、「自分もこうなりたい」と思いました。それからは人事領域を10年以内にすべて経験することを目標に掲げ、転職を重ねながら知見を広げていきました。

そして50歳を迎えた頃、新しい挑戦をしたいと考えていたときに、あかり監査法人に出会いました。面接で代表の狐塚さんやパートナーの林さんとお話しした際、監査法人としての課題やこれからの展望について伺い、「事業会社とはまた違う新しいフィールドで、自分の経験を活かしながら成長できる」と感じました。これまでとは異なる業界での挑戦になりますが、新しいことを学び続ける姿勢を大切にしたいと思い、入社を決めました。

現在、入社して1年半ほどが経ちます。監査法人には独自の基準やルールがあり、まだまだ学ぶことも多いですが、これまで培ってきた管理部門の経験を活かしながら、日々成長を感じています。これまでのキャリアを土台に、新しい環境でさらに自分をアップデートしていきたいと思っています。

管理部門の“何でも屋”として、組織の基盤を支える日々

――現在のお仕事内容を教えてください。

勝又:現在は、管理部門全般のマネジメントを担当しています。入社当初は一人体制で、勤怠管理や経理、総務、IT対応まで、まさに”何でも屋”のような形で幅広く対応していました。最近はアシスタントの方が加わり、日常的な業務は任せつつ、私は評価制度の構築や組織運営の基盤固めなど、法人として成長していくための仕組みづくりに注力しています。

監査法人の業務は、私がこれまで経験してきた事業会社の仕事とは大きく異なります。事業会社は利益の追求やシェア拡大を目的としていますが、監査法人は社会的な信頼を支える「監査品質」をいかに維持・向上させるかが使命です。そのため、組織づくりや仕組みの整備も、いかにしてこの使命を支えるかを中心に考える必要があります。そうした点が、非常に新鮮でやりがいを感じる部分ですね。

経営層とも近い距離で働いており、代表やパートナーの方々と意見を交わしながら、課題解決のための仕組みをどう運用に落とし込むかを考えています。監査法人特有の品質管理や基準への理解はまだ学ぶことも多いですが、事業会社で培った管理部門の経験を活かしつつ、今までにない新しい領域に挑戦できている実感があります。

私はどんな仕事でも、まずは任されたことを一つひとつ丁寧にやり切ることを大切にしています。そうした積み重ねが信頼につながり、新たな仕事や役割を任せてもらえるようになると考えています。小さなことでも着実にこなしていく、その姿勢が自分の仕事の基本であり、今の職場でも変わらず大切にしていることです。

クラウドサーバーの全面入れ替えに挑戦。未知の分野をやり切った半年間

――入社されてからこれまで大変だったことはありますか? それをどのように乗り越えたかについても教えてください。

勝又:入社してから取り組んだ業務の中で印象に残っているのは、クラウドのファイルサーバーの全面入れ替えです。

監査法人の業務では、会計士の方々が日常的に多くの資料を扱うため、サーバーの安定性は業務効率に直結します。以前はファイルが開けなかったり、データが壊れてしまうといったトラブルがあり、現場からの困りごとも寄せられていました。

もともとITの専門知識があるわけではなかったのですが、ほかに任せられる人材もいなかったため、自分がやるしかないという気持ちで取り組みました。約半年かけてベンダーと何度も調整を重ね、わからないことは都度相談しながら、一つひとつ課題を解決していきました。代表の狐塚さんもITの専門家ではないもののITへの関心を強く持っているので、困ったときに相談できる存在だったのも心強かったです。

結果として、現在はサーバーの不具合もほとんど起こらなくなり、全員がストレスなく仕事を進められる環境を整えることができました。日常の不便を取り除き、業務を円滑に進められる仕組みをつくれたことは大きな成果だと思っています。新しい領域に挑戦することは簡単ではありませんが、試行錯誤しながら学び、結果として周りの役に立てたときに、この仕事のやりがいを感じます。

仕組みづくりを通して“あるべき姿”を描く。正解のない仕事に挑むやりがい

――勝又さんが感じる仕事のやりがいについて教えてください。

勝又:あかり監査法人はまだ設立から8年ほどの若い組織で、規模も大きくはありません。だからこそ、これから整えていくべき仕組みや課題がたくさんあります。その一つひとつに自分が直接関わり、形にしていけることに大きなやりがいを感じています。

現在は、人事評価制度の構築に取り組んでいます。以前はスタッフも数名規模だったため、互いの仕事ぶりが自然と見えていましたが、今後人員が増えていくことを見据えると、公平で納得感のある評価の仕組みづくりは欠かせません。単なる制度設計ではなく、「監査の品質を高めるためにどのような人材を育て、どう評価していくか」という視点でも考えています。

評価制度は一度作って終わりではなく、運用しながら改善を重ねていくものです。法人の成長段階や社会の変化に合わせて、見直していく必要があると思っています。評価の仕組みは社員のモチベーションにも関わりますが、必ずしも全員が満足するものではありません。それでも、できる限り公正に、そして法人全体の成長につながる形で運用していくことが大切だと考えています。

何より、このような制度づくりを通じて、組織の“あるべき姿”を描き続けられること自体が大きなやりがいです。正解がないからこそ、一つひとつの課題に丁寧に向き合い、信頼を積み重ねながらより良い形を模索していく。その繰り返しが、自分にとっての成長でもあり、この仕事の面白さだと感じています。

意見を交わし、議論を重ねる文化。誠実さと主体性が根づく職場

――働く人にとって、あかり監査法人の魅力はどのような点ですか?

勝又:あかり監査法人の一番の魅力は、職員一人ひとりがしっかりと自分の考えを持ち、それを率直に発信できる風土があることです。

みんなが同じ方向を向いてはいるものの、考え方や経験、価値観はそれぞれ異なります。その違いを尊重しながらも、「自分はこう思う」と意見を述べ合い、納得できるまで議論を重ねる。そうした誠実でまっすぐな姿勢が、組織全体に根づいています。

人数が増えると、どうしても「波風を立てないようにしよう」「まあこのままでいいか」と流してしまう場面が生まれがちです。しかし、あかり監査法人ではそうした“流す”ことをしません。違和感をそのままにせず、「なぜそうなのか」を掘り下げて考え、議論を通して答えを明確にしていくという姿勢が、日々の仕事の中でも大切にされています。

この文化は、監査という仕事の本質にもつながっています。わずかな違和感を見過ごさず、正しい結論にたどり着くまで粘り強く検証する。その誠実さが信頼を生み、社会的な責任を果たす原動力になっています。

“裏方”として法人を支える使命。変化に強い組織づくりを目指して

――勝又さんの今後の目標を教えてください。

勝又:私自身、明確な“これを達成したい”という目標を今すぐに定めているわけではありません。というのも、組織というものは常に変化していくものだからです。環境や状況に応じて、必要な課題や方向性も変わっていく。その中で一つ確かなのは、どんな状況になっても法人運営を安定して支えられる基盤を整えていくことが、私の役割だと考えています。

直近の課題としては、ITやシステム面の整備、そして監査品質を高めるための仕組みづくりなど、土台をしっかり固めていくことです。あかり監査法人は設立から8年を迎え、今後さらに成長していくフェーズにあります。そうした中で、組織として次のステージへ進むときに、事務局としてどう貢献できるかを常に意識しています。

長期的には、法人が新たな戦略や目標を掲げるタイミングで、人事・管理部門の立場から最適な仕組みを提案し、運営面から支えていきたいと思っています。監査法人において主役は会計士の方々です。その方々が本業に専念し、力を発揮できるよう、働きやすい環境や仕組みを整えることが事務局の使命です。

「裏方として、現場で活躍する人を支えること」。それが自分の仕事の本質であり、今後もその想いを大切にしながら、組織づくりに全力で取り組んでいきたいと思っています。