山路正敏

PROFILE
山路 正敏
公認会計士
経理職を経て、公認会計士試験に合格。大手監査法人で会計監査を5年間担当したのち、2025年2月にあかり監査法人に入社。週休3日制で勤務中。
経理職から始まった会計士への挑戦
――山路さんのこれまでのご経歴を教えてください。
山路:大学卒業後、最初に入社したのはパチンコ店でした。就職活動を真剣に行っておらず、幼い頃からの親友がその会社に入社したと聞いて、卒業間際だったこともあり、深く考えずに同じ会社を選んだのです。3年間ほど友人と一緒に働いていましたが、ある日彼が「消防士になりたい」と言って退職し、実際に夢を叶えました。その姿を見て、「自分も何かやりたいことを見つけなければ」と強く感じたのを覚えています。
その時期、私は店舗で売上管理などの数字に触れる仕事もしており、「数字がぴったり合うこと」に面白さを感じていました。これをきっかけに、経理の仕事に興味を持ち、注文住宅の会社で経理として働き始めました。小規模な会社で、経理業務もそこまで多くなかったため「せっかくなら資格を取ろう」と思い、初めて公認会計士という職業を知り、勉強を始めました。
最初は仕事をしながらの勉強でしたが、途中で「本気で取り組まなくては」と思い、27歳の時に仕事を辞めて試験に専念しました。退路を断つような決断でしたが、最終的に合格できました。
実は自信がなかったため、合格発表まではアルバイトをしていましたし、就職活動もまったく進めていませんでした。ですが、合格発表を見たら自分の番号があり、びっくりして急いで就職活動を始めました。最終的に選んだのは大手監査法人。説明会などで出会った先輩社員の方がとても柔らかく接してくれたんです。「こういう方が多く働いているなら」と思い、入社を決めました。
大手監査法人では不動産系のリートや鉄道会社などの運輸関連の監査業務に携わっていました。最初に希望を出せば、ある程度同じ業界に継続してアサインされる仕組みで、その業界の知識やノウハウを深めていくことができました。2019年に入社し、5年ほど勤めたのち、2025年2月にあかり監査法人へと転職しました。

週休3日という選択肢。価値観を尊重してくれた職場との出会い
――大手監査法人から転職をした経緯、あかり監査法人に入社を決意した決め手について教えてください。
山路:前職の大手監査法人ではやりがいも大きかったのですが、一方で、仕事とプライベートのバランスについて見直したいという思いが徐々に強くなっていきました。残業時間も多く、休日も仕事のことを考えながら過ごしていたため、「このままでは仕事一色の生活になってしまうのでは」という危機感がありました。
特に強く感じたのは、自分の内面や人間としての幅をもっと広げたいという思いです。当時、明確な趣味があったわけではないのですが、それでも「仕事だけの人生で本当にいいのか?」という気持ちが芽生えてきました。一人暮らしで家事もこなしながら、限られた時間の中で自分の人生をどう充実させていくかを考えるようになり、転職を決意しました。
そのなかで出会ったのが、あかり監査法人です。決め手となったのは、週休3日制を導入していたことでした。そしてありがたいことに、その制度を活用した枠で私を採用してくださったんです。他の法人でも週休3日制度を掲げているところはありましたが、介護や通院などの特別な事情がある方向けの制度で、私のように「プライベートの充実」を理由とした希望はなかなか受け入れてもらえませんでした。
あかり監査法人は非常に柔軟に、私の考えや働き方に対する価値観を受け入れてくださり、「それも一つの働き方として尊重する」と理解を示してくれたのが、とても印象的でした。現在は、週休3日という新しい働き方の中で、無理なく自分らしく働けていると感じています。
幅広い業界を担当する中で、会計士としての視野と学びが深まる

――現在のお仕事内容を教えてください。
山路:現在、あかり監査法人に入職してから半年ほどが経ったところです。業務としては監査業務が中心ですが、担当しているクライアントの業種は非常に幅広く、多様な業界の企業に関わらせていただいています。
たとえば、ソフトウェアの受託開発を行っているIT企業や、不動産賃貸の保証会社、さらにゴルフ関連の企業など、前職では携わる機会のなかった業界の監査を経験しています。以前は不動産や鉄道関連の企業を中心に担当していたので、現在は新たな業界知識を学びながら、視野を広げられています。
もともと、会計士という仕事を選んだ理由のひとつに「さまざまな業種の企業を見られる」という期待がありました。実際に今、各業界のビジネスモデルや数字の動き、売上がどのように構成されているのかを間近で見られ、日々発見があります。一つひとつの会社の財務状況を丁寧に読み解くと、「なぜこの数字になっているのか」「何が要因なのか」といった背景を推し量ることができるのは、監査ならではの面白さです。
企業の内情を、経営に近い目線で数字から分析することも、この仕事の魅力の一つです。今後もさらに多くの業界に関わりながら、会計士としての知見を深めていきたいと思っています。
仕事とプライベートのメリハリが生む、心の余白と新しい挑戦

――働く人にとって、あかり監査法人の魅力はどのような点ですか?
山路:あかり監査法人の一番の魅力は、仕事とプライベートをしっかり切り分けられる環境が整っていることです。私は週休3日制という働き方で入社しましたが、チームでの業務体制がしっかりと構築されていて、休みの日に仕事の連絡が来るようなことはありません。チームを統括している方が、私の勤務日を考慮した上で作業の割り振りを調整してくださっているので、安心して休暇を過ごせています。
こうした時間の余裕ができたことで、趣味も楽しめるようになりました。最近、中学生の頃に挫折したギターにもう一度挑戦し始めました。以前は、仕事のことが常に頭の片隅にあって、趣味に取り組む余裕などありませんでしたが、今では「ギターの練習をしよう」と思えるくらい、気持ちの面でもずいぶんと変化を感じています。
あかり監査法人は、ただ働きやすいだけでなく、「自分の時間を大切にしながら、プロとしてきちんと成果を出す」という働き方が尊重される職場です。これは、子育てや介護といったライフイベントを抱える方はもちろん、私のように「自分の人生をもっと豊かにしたい」と考える方にとっても、大きな魅力ではないでしょうか。
対話を通じて企業に寄り添い、業界に価値を生む存在に
――山路さんの今後の目標を教えてください。
山路:さまざまな業界の企業を担当させていただいており、初めて触れる分野も多いため、日々学びの連続です。まだ慣れていない部分もありますが、いずれは数字を確認するだけにとどまらず、「こうした方がより良くなるのでは?」とクライアントに提案ができるくらい、その業界や企業の実情を深く理解したうえで、より踏み込んだ価値提供ができる会計士になりたいと考えています。
そのためには、数字の裏にある企業の背景や業界の構造を知ることが不可欠です。クライアントと直接お話しし、現場の声をしっかり聞くことを大切にしています。数字だけを追っていても、企業の本質は見えてきません。だからこそ、お客様との対話を通して、書類には表れない情報や空気感を自分の中に積み重ねていくことが、これからの成長につながると感じています。
今後も、そうした人と人とのつながりを大切にしながら、企業の課題に寄り添い、公認会計士としての幅を広げていきたいです。
