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風土・カルチャーの創り手3名に語り合ってもらいました

準大手監査法人の出身者が集まって、2017年10月に創設されたあかり監査法人。当初はその縁のあるメンバーが多く、皆で思いを一つにして風土やカルチャーを創ってきました。ここでは、その創り手ともいえる3名に、これまでのキャリア、事業会社や大手監査法人とは異なる同所ならではの仕事の面白さ、今後の事業展開などについて、語り合ってもらいました。

 

PROFILE

風土・カルチャーの創り手3名に語り合ってもらいました

進藤 雄士

公認会計士試験に合格後、準大手監査法人に入所。
海外赴任を含めて約10年勤務ののち、当時のメンバーと共にあかり監査法人の創設に携わる。

風土・カルチャーの創り手3名に語り合ってもらいました

成田 雅義

一般事業会社を辞めて会計士試験にチャレンジし、合格。大手監査法人にて金融商品取引法監査、会社法監査、アドバイザリー業務に従事したのち、北海道にて独立して会計士事務所を立ち上げ。2020年10月にあかり監査法人に参画。公認情報システム監査人(CISA)の資格保有者。

風土・カルチャーの創り手3名に語り合ってもらいました

吉澤 誉彦

米国の大学にて機械工学を学んだ後、公認会計士資格を取得。
準大手監査法人に入所。その後、2019年7月にあかり監査法人に参画。

皆さんのこれまでのキャリアについて教えてください。

 

進藤:私は学生時代、結構遊んでしまっておりまして...笑。学部は商学部だったので当時から会計に触れていたこともあり、公認会計士を受験して合格し、準大手監査法人に入所しました。2017年まで勤務して、そこで出会ったメンバーとあかり監査法人を創設したという経緯です。ベトナムの中堅会計事務所に在籍出向をした経験があり、現地に進出している日系企業の会計業務に多く携わっていました。

 

成田:私はもともと札幌にいたこともあり、大手監査法人の札幌事務所を受けて採用になり、一般的な金融商品取引法や会社法の監査クライアントを担当しておりましたが、東京のクライアントも見てみたいと思い、東京事務所へ異動を希望しました。当時は内部統制報告制度(J-SOX)の準備対応を始める時期だったため、人手を必要としていた東京事務所にすんなり異動できました。7年ほど東京で過ごした後、もうそろそろ北海道に戻ろうと退職して札幌で公認会計士として独立。そのときに、準大手監査法人の札幌事務所の仕事を手伝うようになり、やがてその東京事務所の仕事にも関わるようになります。そのときの知人たちがあかり監査法人を立ち上げたため、私も2020年10月に参画しました。

 

吉澤:私は大学進学を考えたときに、日本で行きたい学校がなく、アメリカに留学して進路を考え、機械工学専攻で大学を卒業しました。ですが、仕事となると理系は狭い領域で経験を積み重ねていくイメージがあります。それよりも、性分もあって変化を常に求めたいと思い、専門職で自由度高く働けそうな公認会計士に照準を合わせて資格を取得しました。一見すると畑違いですが、設計ではルールに従って構造計算などを行います。会計も基準に従う点は共通しているので、私としても取り組みやすかったのですね。そうして、後に当社を創設するメンバーのいた準大手監査法人に入社した縁で、2019年7月にあかり監査法人に参画しました。

 

監査法人から事業会社に転身していく人も少なくありません。事業会社では得られない、監査法人での仕事の意味ややりがいは何だと思いますか。

 

成田:私は事業会社出身ですが、会計士を目指したのは、「その会社限りの専門家になりたくない」と感じたことも理由のひとつです。プロフェッショナルとしての専門知識をベースとして、様々な業種のいろいろな人と仕事をしたいと思ったのです。誤解を恐れずに言うと、監査は本来、その会社のためにやるものではありません。あくまでも資本市場の健全性や投資家を守るために、という大義がベースにあります。ですから、経営者の気に入る話をすることが仕事ではないのです。職業人として「引けない一線」があるからこそ、「深まる一線」もあると思っています。一見パラドックス的ですが、外部から批判的に見ることで、結果的にお客様の役に立てるという醍醐味を感じます。

 

進藤:清廉潔白さや監査の社会的意義といったことは、公認会計士の資格を取る際に嫌というほど叩き込まれます。そういった大前提を取り除いたときに、私が一貫して監査の仕事を続けている理由ともいえる面白さは、「さまざまな業種や会社の、一線級の経営層と仕事ができる」という点です。私はビジネスそのものが好きです。どうやって成り立っているのか、どうやって儲かっているのか、会社の中に深く入り込んでたくさん聞けるのは特別だと思いませんか。これは会計、監査を土台としているからこその醍醐味であり、他の仕事ではなかなか得られないのではないでしょうか。
また、お客様から報酬をいただきはしますが、本当の意味で対等であり特別な関係だといえます。会社に対して改善提案や指摘など厳しいことを言う局面が多く、ましてや守っているはずの投資家や資本市場から直接お礼を言われることは基本的にはありませんので、感謝されづらい職種といえるかもしれません。ですが、私たちの顧客はIPO前後の中小規模の会社がメインです。おのずと二人三脚的な関わり方になります。そうすると、監査という仕事でプロとして指摘をしたり改善を求めたりしても感謝の言葉をいただけることが多くあります。これは非常にやりがいになります。

 

吉澤:事業会社で会計の仕事をすると、その会社の会計しか見られません。監査法人の立場であれば、多様な企業において守秘義務契約のもと、包み隠さず見られますので、その会社のビジネスがどういうものか、会社の運営がどのように行われているかを全て知ることができるわけですね。外部に公表される決算書の裏側が見られるのは面白く、監査法人ならではの醍醐味です。あとは、関わる人の範囲も比較的広く、かつ、付き合いが長く続いていく点がいいですね。例えば財務系コンサルでのデューデリ業務などでは、期間も限定されますし、プロジェクトの性質上あまりにクローズドな世界で、ごく一部の限られた人としか関われないといったことがありますから、その点監査は良いと思います。

 

そうした監査法人のなかでも、あかり監査法人はまだまだベンチャーです。大手監査法人との違いや良さは何でしょうか。

 

成田:最近大手監査法人からスイッチして引き受けた会社があるのですが、「あかり監査法人は寄り添ってくれるから良い」と言っていただけました。大手監査法人ですと、小規模企業に対しては担当者一人しか割けないことも多いのですが、私たちはパートナーも含めて複数名で関わるので手厚いと感じて頂けるようです。あとは、前職の大手監査法人では、会計上の論点についてパートナーに相談事があっても、なかなかつかまらない。さらに審査となると定型のフォームに沿った説明資料の準備や審査担当のパートナーのスケジュール調整まで必要になり、相談したいだけなのに雑務に追われる感じがありました。それが、あかり監査法人では審査担当者も含めてみんなの距離感が近く感じられ、互いに相談しながら、臨機応変に仕事を進められています。何か判断基準といったものに関しても、話し合ったうえで割とスピーディに、新たな決め事を行えます。裏を返せば、マニュアルが細かくまでは決まっていないから話し合う必要があるともいえますが、課題感を共有して決めていけるのが、大手にはない、ベンチャーらしい良さだと思います。

 

進藤:そのために、あかり監査法人では、パートナーであったとしても、自身の個室を持つことなく、全員が同じ一つのスペースにいられるようなオフィスデザインにしています。昨今は新型コロナウイルスの感染対策によりリモート対応を行っていますが、オフィスではパートナーやスタッフといったポジションに関係なく、活発なコミュニケーションが行われています。オフィスデザインといった物理的な面のみならず、社風として個人間での壁がない風通しの良さを大切にしていますので、今後人員が増えていくときにも、この感じはぜひ保っていきたいですね。

 

吉澤:昔は対面でちょっとしたミーティングは普通にありましたが、様々なコミュニケーションツールの台頭で、そういった対面でのコミュニケーションが世間的には減っているかと思います。でも、あかり監査法人ではそんなコミュニケーションがとりやすいよう、コミュニケーションスペースも設けてあるし、何よりパートナーもスタッフも皆がコミュニケーションを大事に思っているのがいいですね。それに、顧客が大企業でないところも気に入っています。大企業が相手ですと、大きすぎて個人としては一部しか関与できません。ところが小規模な顧客に対しては、個人としても会社全体を見ることができ、会社全体に対してよいサービスを提供することができます。

 

あかり監査法人の業務領域や今後の展開を教えてください。

 

成田:私はCISA(公認情報システム監査人)の資格を前職で取得しており、あかり監査法人でも企業の情報システム監査やリスクマネジメント評価などを担っています。これは外注も可能ですが、あかり監査法人ではできれば内部で行いたい考えです。というのは、外注先のシステム専門家が監査する場合に、われわれ会計の専門家とはリスクの考え方が異なるのでそこを橋渡しできるためにも、そうしたケースにはITに関する知識も有する公認会計士が当たるべきだからです。ですから、これからジョインされる方がCISAやシステム監査技術者等の取得を目指したければ、当法人からのサポートもありえます。このように、各人の希望と会社の方向性が合えばどんどん領域を広げていける可能性があると感じています。

 

進藤:主軸は監査業務とコンサルティング業務の2つです。監査ではクライアントとのコミュニケーションを重視しており、責任者レベルでコミュニケーションを密にするのが特徴です。業界もサービス業、卸売業、やメーカー等、幅広く対応しており、最近では、ブロックチェーン関連ビジネスのお客様でIPO支援を実施しています。こうした先進的な業界を扱うのは自身にも学びがあり、刺激になります。コンサルティングでは、他の監査法人と同様、内部統制支援やM&A関連サービスなどを行っています。
海外展開支援にも今後積極的に対応したいと考えており、海外実務に精通したメンバーや専門家と協同したり、海外の監査法人と連携をとるなどして、海外進出や海外でのM&Aサポート、海外子会社における監査などに取り組んでいきたいと考えています。私がベトナムの会計事務所に出向経験があると最初にお話ししましたが、他国で仕事をするに際しては、その国の文化や風土、さらにはその国に住む方々の考え方を理解し共感することが重要であり、その結果、私自身の視野や考え方が広がりました。そのような経験を、少しでも多くの海外に関心のある方に経験してもらいたいと思っています。あかり監査法人としてグローバルネットワークへの加盟を含めた海外展開を視野に入れており、海外に関心のある方には、ビジネス英語を学ぶ機会や海外業務に携わる機会を提供していきたいと考えています。
監査業務は徹底的に追求していきますので、監査業務をとことん追求したいという方はもちろん、新たなことにチャレンジしたいという方にも非常に面白い環境だと感じて頂けるのではないでしょうか。